【初心者向け解説】テンションについての基礎知識

テンションについて
高橋 和明
かずあき先生
独立12年目のフリーランスのプロベーシスト。
専門学校卒業後、楽器店の講師経験を経て独立。
現在はジャズプレイヤー、作曲家、講師として活動。
プロの質問し放題のBASS NOTEオンラインコミュニティ「Minerva」を運営中。
ウマ娘ちゃん箱推し。

テンションについて

テンションとは

メジャースケールの音を1音飛ばしで重ねます

「ダイアトニックコードについて」の記事で

「スケールの音を1音飛ばしで重ねると、コード(和音)が完成するよ!」

というお話をさせていただきました。

このお話には続きがありまして――

ゆい
ゆい

え、まじですか。

テンションの領域

四和音の上に、さらにスケールの音を1音飛ばしで追加していくことができます。

このようにコードトーン(四和音)の上に追加される音が、テンションの基本概念になります。

テンションの度数の仕組み

ひとつ飛ばしで重ねていくと、15thの音で1st(Root)の音に戻ります。
なので、テンションとして重ねられるのは9th, 11th, 13thまでの音になります。

かずあき先生
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こちらが1度, 3度, 5度, 7度を重ねたC△7のサウンドです。

そして、こちらがC△7の上に9度のテンションを重ねたC△7(9)の響きになります。

ゆい
ゆい

おぉ、ちょっとオトナ感。

コードトーンのうえにテンションを重ねることで、よく言えばお上品・悪く言えばふわふわと濁ったサウンドになります!

かずあき先生
かずあき先生

テンション = ダイアトニックの次の音のトライアド

テンション=全音上のトライアド

コードトーンの上に乗るテンションは、

ダイアトニックコードの次の音トライアド

になります。

これは実用的な考え方ではないので「知ってるとたまに助かる豆知識」のひとつとして紹介します。
あくまで参考までに。

メジャーダイアトニックコード(ディグリー)

ダイアトニックコードの知識はありとあらゆる場面で役に立ちます!

かずあき先生
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7thはテンションノート?コードトーン?

fly me to the moon 冒頭8小節コード進行

「コードトーンの上に重ねるのがテンション」というルールに従うなら、トライアド(三和音)視点で考えると7thはテンションノートという扱いになります。

理論書によっては
「7th, 9th, 11th, 13thの4種類がテンションだよ!」
と説明されているものもあります。

これはプレイヤーの「四和音(セブンスコード / テトラッド)」の使用頻度による解釈の違いです。

三和音をメインに扱っている人から見れば、7thコードは異端のテンションコード。
一方で四和音を日常的に扱っている人から見れば、7thはごくごく当たり前なコードトーンのひとつになります。

BASS NOTEでは
・四和音までがコードトーン
・9th, 11th, 13thがテンショ

と定義しています!

かずあき先生
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スケール = コードトーン+テンション

スケール=コードトーン+テンション

テンションの勉強のついでに、あわせて頭の片隅に覚えておいていただきたいのが

スケール = コードトーン+テンション

という計算式です。

鍵盤で見るテンションとスケール

例えば、こちらのCメジャースケール。

これはC△7のコードトーンに9th, 11th, 13thのテンションを加えてあげることで完成するスケールです。

かずあき先生

Cメジャースケールは、C△7から派生したスケールであると言えます!

コードドーン+テンションで完成するスケールの例

ドリアンスケールのコードトーン+テンション

「m7」コードのコードトーンに、9th, 11th, 13thを足すとドリアンスケールという配列が完成します。

リディアンスケールのコードトーン+テンション

こちらのリディアンスケールなら「△7」コードのコードトーンに9th, #11th, 13thを足すと完成します。

ほかにも

  • フリジアンスケール
    m7のコードトーン + ♭9th, 11th, ♭13th
  • ミクソリディアンスケール
    7のコードトーン + 9th, 11th, 13th
  • ロクリアンスケール
    m7(♭5)のコードトーン + ♭9th, 11th, ♭13th

などなど、コードトーン+テンションの式でスケールを覚えてあげると、スケールを象徴する美味しい音を上手に使えるようになるので便利です!

丸暗記よりも理論的に覚えたほうが忘れにくいのでオススメです!

かずあき先生
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